今日の記事は、もう2年も前になるのですが、一度アップしたものです。修正が若干あります。
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私自身がブログを開設していることで、結構よそ様のブログとかHPなどを見たり、又、FBやツイッターなどでも情報収集したりしている。
今の時代はホントに便利な時代だ。居ながらにして琴線に触れる話や心温まる話に出くわすことがある。有難い。
こういう話はできるだけ皆でシエアしたい。ネットの世界ではかなりシェアされているので、もう既に知ってらっしゃる方もおるのでしょうが・・・。でも心に残るハナシは何度聞いても良い。
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「奇跡のような出会いに感謝して」 みやざき中央新聞・編集長 水谷謹人
目が覚めたら生きていた。
朝起きたらもうご飯ができていた。
窓を開けたら美味しい空気があった。
毎日ご飯が食べられる。
買い物に行ったら欲しいものが買えた。
美味しいものを食べて美味しいと感じる。
結婚して子供が生まれた。
子どもがすくすく育っている。……
「こんなこと、当たり前だと思ったら大間違いです。世の中に当たり前のことはたったひとつしかないんです。それは、産まれてきたすべての命には必ず終わりがあるということ。それだけが当たり前のことで、それ以外のことはすべて奇跡なんですよ」
助産師の内田美智子さんがこう話していた。内田さんといえば、一昨年、この社説でも紹介した『いのちをいただく』の著者。
注:内田 美智子(うちだみちこ)
1957年、大分県生まれ。国立小倉病院附属看護助産学校助産師科卒。1988年から内田産婦人科医院に勤務。夫は、同医院院長。院内で子育て支援の「U遊キッズ」を主催するほか、「生」「性」「いのち」「食」をテーマに全国で講演活動を展開。思春期保健相談士として思春期の子どもたちの悩みを聞く。九州思春期研究会事務局長、福岡県子育てアドバイザー、福岡県社会教育委員。著書に、『いのちをいただく』『ここ─食卓から始まる生教育』(ともに西日本新聞社・いずれも共著)などがある。
毎年牛を殺して肉にする仕事をしている坂本さんと、畜産農家で「みいちゃん」という牛と一緒に育った女の子の話を綴った感動的な絵本だ。
この年末から年始にかけて、内田さんは連日新しい命を取り上げた。その中には15歳の少女もいた。
分娩室で彼女は「痛い、痛い!」と泣き叫びながら、やっとのことで3000グラムを超える大きな赤ちゃんを産んだ。
妊娠に至った経緯には、言うに言えない事情があった。しかし、産まれたばかりの赤ちゃんを抱きながら、 少女は「ママよ、私がママよ」と何度も語りかけていたそうだ。
しばらくして、ずっと寄り添っていた、30代後半だろうか、40台前半だろうか 若くして祖母になったばかりの母親に向かって言った。
「ママ、ありがとう」
同じ頃、国会議員の野田聖子さんが不妊治療の末、50歳にして男の子を出産した。
※ 2012/1/21の過去ログ
「されど女性は強し」でも私自身、野田聖子さんについて書いています※
50歳だろうが、15歳だろうが、生まれてきた子は乳飲み子。手がかかるのは同じ。周囲のサポートは同じように必要です。中学生だろうが、国会議員だろうが母親は一人しかいないんです育てられることに感謝して欲しい」と内田さんは言う。
30年以上もお産の現場にいる。そこは「おめでた」ばかりではなかった。
妊娠が分かってから女性は約10ヶ月の月日を経ながら、少しずつ「母親になる」という決意をしていく。それは自分の命を賭けて産むという決意だ。
わずか50年前、約2000人の母親がお産のときに命を落としていた。内田さんが助産師になった30年前は300人。一昨年でも35人の母親が自らの命と引き換えに子どもを産んだ。
死産もある。ある妊婦は10ヶ月目に入って胎動がしなくなったことに気が付いた。 診察の結果、胎児は亡くなっていた。でも、産まなければならない。
普通、お産のとき、「頑張って。もうすぐ元気な赤ちゃんに会えるからね」と、妊婦を励ますが、死産のときには掛ける言葉がないという。泣かない子の代わりに、母親の泣き声が分娩室に響き渡る。
その母親は内田さんに「一晩だけこの子を抱いて寝たい」と言った 真夜中、看護師が病室を見回ると、母親はベッドに座って子どもをだいていた。
「大丈夫ですか?」と声を掛けた看護師に、母親は、「今、お乳をあげていたんですよ」と言った。見ると、母親は乳首から滲み出てくる乳を指に付けて、子どもの口元に移していた。
「このおっぱいをどんなにか、この子に飲ませたかったことか。泣かない子でも、その子の母親でありたいと思うのが母親なんです。何千年の時を経ても母親は母親であり続けるんです。」と内田さん。
父親・母親世代に内田さんは、
「子育ては時間が取られるなんて思わないで。育てられるだけでも幸せなことなのよ」と語り、
学校に呼ばれたときには、
「お母さんは命賭けであなたたちを産んだの。だからいじめないで。死なないで」と子ども達に訴える。
「命が大切なんじゃない。あなたが大切なの」と。
(みやざき中央新聞(平成23年1月17日 社説)